「Hep-Ex」は、素粒子物理学の最前線にある加速器実験の分野を指します。大型加速器で衝突させた粒子の振る舞いを詳しく調べることで、宇宙の根本的な法則や物質の成り立ちを探求する研究です。

Gist.Science は、arXiv から公開されるこの分野の最新プレプリントをすべて網羅的に処理し、専門知識がなくても読める平易な解説と、技術的な詳細を両方備えた要約を提供しています。

以下に、Hep-Ex 分野の最新論文リストを掲載します。

Transformer-Based Pulse Shape Discrimination in HPGe Detectors with Masked Autoencoder Pre-training

本論文は、マスキングオートエンコーダーによる自己教師あり学習の前訓練を活用したトランスフォーマーモデルが、高純度ゲルマニウム検出器におけるパルス形状識別タスクにおいて、従来の勾配ブースティング決定木や従来手法を上回る性能を発揮し、特にラベル付きデータが限られる状況での学習効率を大幅に向上させることを示しています。

Marta Babicz, Saúl Alonso-Monsalve, Alain Fauquex, Laura Baudis2026-03-09⚛️ hep-ex

Latin American HECAP Physics Briefing Book 2025

この論文は、2024 年 8 月に開催された第 3 回 LASF4RI-HECAP シンポジウムで提示された 46 のホワイトペーパーを基に、ラテンアメリカの高能率・宇宙論・素粒子物理学(HECAP)分野の長期的戦略策定に向けた essential な入力資料として、7 つのワーキンググループを軸に更新された「ラテンアメリカ HECAP 物理学ブリーフィングブック 2025」を提示するものである。

Mario A. Acero (U. del Atlántico - Colombia), Alexis A. Aguilar-Arevalo (UNAM - México), Belén Andrada (CNEA/CONICET/UNSAM - Argentina), Andrés Baquero Larriva (U. del Azuay - Ecuador), Mauro Cambiaso (…)2026-03-09⚛️ hep-ph

Recent GasPM advances: photon-feedback mitigation and LaB6_{6} photocathode studies

この論文は、Belle II 検出器のアップグレードに向けたガス光電子増倍管(GasPM)の時間分解能劣化要因である光子フィードバックの低減と、イオン耐性や大気暴露耐性に優れた LaB6_6 光電極の性能評価に関する最新の進展を報告しています。

Simone Garnero, Kenji Inami, Kodai Matsuoka, Ryogo Okubo, Koichi Ueda2026-03-09🔬 physics

Modern jet flavour tagging in hadronic Z decays with archived ALEPH data

この論文は、現代の深層学習ベースのジェットフレーバータグging手法をアーカイブされたALEPH実験データに適用することで、b・cクォークの誤識別率を大幅に改善し、LEPデータを用いたストレンジクォークタグgingを初めて実現したことを報告しています。

Matteo M. Defranchis, Jacopo Fanini, Apranik Fatehi, Gerardo Ganis, Taj Gillin, Loukas Gouskos, Luka Lambrecht, Michele Selvaggi, Birgit Stapf2026-03-09⚛️ hep-ex

Current status of the light neutralino thermal dark matter in the phenomenological MSSM

この論文は、現象論的 MSSM における軽いニュートラリーノ熱的ダークマターのパラメータ空間が実験的制約により強く制限されていることを再確認し、LHC Run-3 での検証可能性や非標準宇宙論の影響を議論するとともに、機械学習を用いたベンチマーク解析を提供するものである。

Rahool Kumar Barman, Genevieve Bélanger, Biplob Bhattacherjee, Rohini Godbole, Rhitaja Sengupta2026-03-06⚛️ hep-ph

A Method to Constrain Preferential Emission and Spectator Dynamics in Heavy-Ion Collisions

重イオン衝突における優先放出とスペクテーターの崩壊を制約する新たな手法として、スペクテーターと荷電粒子の前後非対称性のピアソン相関を導入し、AMPT モデルを用いた Au+Au 衝突のシミュレーションにより、この相関が優先放出の影響やスペクテーター数の揺らぎを捉える堅牢な観測量であることを実証しました。

Vipul Bairathi, Somadutta Bhatta2026-03-06⚛️ hep-ph

Long-lived Light Mediators in a Higgs Portal Model at the FCC-ee

本論文は、FCC-ee における Higgs ポータルモデルの長寿命粒子(LLP)探索において、IDEA 検出器の性能を評価し、B メソンおよびヒッグス粒子崩壊からの LLP 検出に対する SM 背景事象を詳細に分析した上で、DEDICATED 検出器(特に DELIGHT B や円筒型配置)の導入が感度向上に寄与することを示しています。

Biplob Bhattacherjee, Camellia Bose, Herbi K. Dreiner, Nivedita Ghosh, Shigeki Matsumoto, Rhitaja Sengupta2026-03-06⚛️ hep-ph

Constraints on new physics from decays of polarized Λb0Λ_b^0 baryons at the FCC-ee

本論文は、FCC-ee における IDEA 検出器概念を用いたシミュレーションに基づき、Z ボソン崩壊で生成される偏極Λb0\Lambda_b^0バリオンの角分布解析を通じて、LHCb 実験では得られない偏極観測量の追加により、ウィルソン係数C9()C_{9^{(\prime)}}およびC10()C_{10^{(\prime)}}に関する新物理の制約を大幅に強化できる可能性を示しています。

Anja Beck, Mero Elmarassy, Asher Sabbagh, Michal Kreps, Eluned Smith2026-03-06🔬 physics

The BUTTON-30 detector at Boulby

本論文は、ニュートリノ相互作用で生成される粒子をチェレンコフ光と蛍光の両方を同時に検出するハイブリッド方式の性能を低背景環境下で評価するために、ブールビー地下研究所に設置された 30 トン規模の実証実験装置「BUTTON-30」の設計と構築について記述している。

J. Bae, M. Bergevin, E. P. Bernard, D. S. Bhattacharya, J. Boissevain, S. Boyd, K. Bridges, L. Capponi, J. Coleman, D. Costanzo, T. Cunniffe, S. A. Dazeley, M. V. Diwan, S. R. Durham, E. Ellingwood, A (…)2026-03-06🔬 physics

Measurements of differential charged-current cross sections on argon for electron neutrinos with final-state protons in MicroBooNE

MicroBooNE 実験は、フェルミ研究所のニュートリノビームを用いてアルゴン標的における電子ニュートリノの荷電流断面積を測定し、その結果を既存の事象生成器の予測と比較して良好な一致を確認した。

MicroBooNE collaboration, P. Abratenko, D. Andrade Aldana, L. Arellano, J. Asaadi, A. Ashkenazi, S. Balasubramanian, B. Baller, A. Barnard, G. Barr, D. Barrow, J. Barrow, V. Basque, J. Bateman, B. Beh (…)2026-03-06🔬 physics