「Hep-Ex」は、素粒子物理学の最前線にある加速器実験の分野を指します。大型加速器で衝突させた粒子の振る舞いを詳しく調べることで、宇宙の根本的な法則や物質の成り立ちを探求する研究です。

Gist.Science は、arXiv から公開されるこの分野の最新プレプリントをすべて網羅的に処理し、専門知識がなくても読める平易な解説と、技術的な詳細を両方備えた要約を提供しています。

以下に、Hep-Ex 分野の最新論文リストを掲載します。

PhyGHT: Physics-Guided HyperGraph Transformer for Signal Purification at the HL-LHC

HL-LHC の極端なパイルアップノイズ下での信号抽出を可能にするため、物理的トポロジーを反映したハイパーグラフトランスフォーマーとパイルアップ抑制ゲートを組み合わせた「PhyGHT」を提案し、トップクォーク対生成のシミュレーションデータを用いて既存の手法を上回る性能を実証した。

Mohammed Rakib, Luke Vaughan, Shivang Patel, Flera Rizatdinova, Alexander Khanov, Atriya Sen2026-02-25⚛️ hep-ex

Search for pair production of heavy resonances in final states with a photon and large-radius jets in proton-proton collisions at s\sqrt{s} = 13 TeV

CMS 実験は 13 TeV の陽子 - 陽子衝突データを用いて、光子と大半径ジェットを最終状態とする対生成された重い共鳴粒子(t*)の探索を行い、有意な偏差は観測されなかったものの、スピン 1/2 および 3/2 の t* 粒子に対してそれぞれ 930 GeV および 1330 GeV 以下の質量を排除する上限値を設定した。

CMS Collaboration2026-02-25⚛️ hep-ex

Low-Energy Radon Backgrounds from Electrode Grids in Dual-Phase Xenon TPCs

この論文は、二相式キセノン TPC における高電圧格子電極へのラドン娘核種の付着に起因する低エネルギー電子バックグラウンドを記述する第一原理モデルを提示し、LZ および LUX 実験のデータと整合することを確認した上で、将来の暗物質探索における軽減策と適用可能性について論じています。

D. S. Akerib, A. K. Al Musalhi, F. Alder, B. J. Almquist, S. Alsum, C. S. Amarasinghe, A. Ames, T. J. Anderson, N. Angelides, H. M. Araújo, J. E. Armstrong, M. Arthurs, X. Bai, A. Baker, J. Balajthy (…)2026-02-25⚛️ hep-ex

Evidence of medium response to hard probes using correlations of Z bosons with hadrons in heavy ion collisions

LHC における PbPb 衝突データを用いた Z ボソンとハドロンの相関測定により、高エネルギーの Z ボソンと反対側に飛来する部分子がクォーク・グルーオンプラズマ中を通過する際にエネルギーを失い、その結果としてプラズマが応答する(ハイドロダイナミックなウォークを形成する)という、硬いプローブによるエネルギー枯渇とそれに伴う媒質応答の最初の証拠が得られたことを報告しています。

CMS Collaboration2026-02-24⚛️ nucl-ex

Tensor form factors of the Δ+Δ^+ baryon induced by isovector and isoscalar currents in QCD

本論文では、QCD におけるΔ+\Delta^+バリオンのテンソル形状因子を、ローレンツ共変性や離散対称性に基づき完全なローレンツ分解で定義し、アイソベクトルおよびアイソスカラー電流に対する形状因子の解析を通じて、Δ+\Delta^+バリオン内のアップクォークとダウンクォークの寄与の違いを明らかにしています。

Z. Asmaee, N. Hajirasouliha, K. Azizi2026-02-24⚛️ hep-lat

Temperature dependence of the long-term annealing behavior of neutron irradiated diodes from 8-inch p-type silicon wafers

HL-LHC の高放射線環境に対応する 8 インチ p 型シリコンセンサーの長期アニーリング挙動を解明するため、Jozef Stefan 研究所で中性子照射されたダイオードを用いて 5.5℃から 60℃の温度範囲で等温アニーリング特性を調査し、ハンブルクモデルに基づくアニーリング定数を抽出して将来のシミュレーション精度向上に寄与する研究が行われました。

Leena Diehl, Oliwia Kaluzinska, Marie Mühlnikel, Max Andersson, Natalya Gerassyova, Jenan Amer, Eva Sicking, Dana Groner, Jan Kieseler, Matteo Defranchis2026-02-24⚛️ hep-ex