神経科学は、脳や神経系がどのように機能し、思考や感情、行動を生み出すのかを探る分野です。Gist.Science では、この複雑な領域の最新研究成果を、専門用語に頼らず誰でも理解できるようにお届けしています。

当カテゴリに掲載される論文はすべて、生物医学分野のプレプリントサーバー bioRxiv から収集したものです。Gist.Science は bioRxiv に投稿される最新のプレプリントをすべて対象に、平易な要約と詳細な技術解説の両方を提供しています。

以下に、神経科学分野の最新プレプリントをリストアップしました。

Expression of Calca gene-derived peptides in the murine taste system

この論文は、マウスの味蕾において、Calca 遺伝子由来のペプチド(CGRP やプロカルシトニンなど)が味蕾細胞や間葉系細胞で特異的に発現し、CGRP 受容体を介して味覚シグナル伝達や味蕾細胞の再生、および味覚微生物叢に影響を与える可能性を明らかにしたものである。

Palayyan, S. R., Siddiqui, A. H., Jiang, P., Margolskee, R., Sukumaran, S. K.2026-04-01🧠 neuroscience

Kainate receptors are critical for permissivity to sustained, disorganized, and network-wide pathological activity in the epileptic dentate gyrus

この論文は、海馬歯状回における再構築されたネットワークにおいて、カイナート受容体が慢性的な興奮性シナポス電位を介して時間的統合の窓を広げ、発作様活動の開始に必要な結合数を減少させ、さらに秩序だった集団活動から高次元で無秩序な病態活動への転換を促すことで、持続的な病理的活動の発生と維持に決定的な役割を果たすことを示しています。

Goirand-Lopez, L., Benquet, P., Alharrach, M., Delord, B., Crepel, V.2026-04-01🧠 neuroscience

Dual targeting of astrocytic and endothelial GLUT1 enables functional rescue in GLUT1 deficiency syndrome

本研究は、脳血管内皮細胞と星状膠細胞の両方の GLUT1 を標的とした AAV ベクターを用いた二重ターゲティングが、GLUT1 欠乏症の機能的な回復を可能にする新たな治療戦略であることを示しました。

Tamura, S., Shimbo, H., Aruga, N., Okado, H., Yasuda, Y., Miyaoka, Y., Sasakura, A., Matsuo, K., Nishihara, H., Seki, E., Sekiyama, K., Oshima, K., Hirai, S.2026-04-01🧠 neuroscience

Novel Engineered AAV Variants Demonstrate Superior Blood-Brain Barrier Penetration and Safety in Non-Human Primates

REACH と呼ばれる独自のカプシド工学プラットフォームを用いて開発された新規 AAV 変異体は、非ヒト霊長類において脳への遺伝子発現を AAV9 の 600〜2000 倍に増幅させながら、肝臓や DRG などの末梢臓器への毒性を大幅に低減し、中枢神経系疾患の治療に向けた画期的な安全性と BBB 透過性を兼ね備えたプラットフォームであることを示しました。

Wang, Z., Li, H., Xu, X., Sun, Z., He, R., Zhang, L., Yu, M., Wang, S., Hu, C., Liu, L., Ren, L., Xu, Y., Xiao, T., Li, D., Sun, B., Luo, Y., An, Z.2026-04-01🧠 neuroscience

Dissociable pupil-linked arousal during overt and inner speech

この論文は、瞳孔計測を用いた研究により、発話と内言(心の中で話すこと)が、それぞれ異なる覚醒レベル(瞳孔の反応パターン)で支えられており、内言は発話に比べて覚醒コストが低く、かつ課題の難易度に応じて柔軟に変化することを明らかにしたものである。

Kuwamizu, R., Watanabe, R., Yamamoto, N., Otani, K., Moriguchi, Y.2026-04-01🧠 neuroscience

The nanoscale mobility of calcium channels is driven by readily releasable synaptic vesicles to support precise neurotransmission in live C. elegans

本研究は、C. elegans における超解像イメージングと単分子追跡を用いて、準備されたシナプス小胞が VGCC のナノスケールでの移動性とナノドメイン組織を能動的に制御し、精密な神経伝達を可能にしているという新たなメカニズムを明らかにしました。

Zhao, Y., Zhai, D., Pinaud, F.2026-04-01🧠 neuroscience