核物理学は、物質の最小単位である原子核の構造や性質、そしてその中で起こる反応を探求する分野です。宇宙の成り立ちからエネルギーの源まで、私たちの世界を支える基礎的な原理を解き明かす鍵となる研究領域です。

Gist.Science では、arXiv に投稿されたこの分野の最新プレプリントをすべて収集し、専門用語に頼らない平易な解説と、技術的な詳細を網羅した要約の両方を提供しています。複雑な理論や実験結果も、誰でも理解しやすい形に整理してお届けします。

以下に、核物理学に関する最新の論文リストを掲載します。

Probing the Dependence of Partonic Energy Loss on the Initial Energy Density of the Quark Gluon Plasma

この論文は、重イオン衝突における高横運動量ハドロン生成の抑制を解析するスペクトルシフトモデルを用いて、クォーク・グルーオンプラズマ中の部分子のエネルギー損失が初期エネルギー密度と強く相関し、衝突エネルギーに依存しない普遍的な振る舞いを示すことを明らかにするとともに、幾何学的イベント形状を考慮したモデルがハドロン楕円流のデータと整合することを示しています。

Ian Gill, Ryan J. Hamilton, Helen Caines2026-04-10⚛️ nucl-ex

Neutrino opacities in magnetic fields for binary neutron star merger simulations

この論文は、連星中性子星合体のシミュレーションにおいて、強磁場下でのニュートリノ相互作用率(ランダウ量子化や異常磁気モーメントの効果を含む)を近似式として導出し、さらに低密度領域でも低エネルギーのニュートリノ対を生成する新たな生成チャネルについて論じている。

Mia Kumamoto, Catherine Welch2026-04-10⚛️ nucl-th

Excitation function for global \Lambda polarization in relativistic heavy ion collisions with the Core Corona model

この論文は、コア・コロナモデルと場の理論的アプローチを組み合わせ、相対論的重イオン衝突におけるΛ\Lambda粒子の全極化の励起関数を計算し、実験データ全体を良好に記述するとともに、衝突エネルギー約 3 GeV 付近に極大値が現れることを予測している。

Alejandro Ayala, José Jorge Medina Serna, Isabel Domínguez, María Elena Tejeda-Yeomans2026-04-10⚛️ hep-ph

Forward trijet production in proton-nucleus collisions: gluon initiated channel

本論文は、カラーガラス凝縮体(CGC)有効理論と希薄 - 高密度近似の枠組みを用いて、陽子 - 原子核衝突におけるフォワード 3 ジェット生成のグルーオン開始チャネルの微分断面積を計算し、4 グルーオン頂点の構造や実・共線発散の物理的帰結を明らかにすることで、1 ループオーダーにおけるハイブリッド形式の妥当性を検証し、将来の NLO 計算に向けた重要な基盤を提供したものである。

Paul Caucal, Marcos Guerrero Morales, Farid Salazar2026-04-10⚛️ hep-ph

Which Neutron Stars Reach the Stiffening Regime? Multimessenger Constraints on Core Sound Speed and Stellar-Mass Thresholds

GW170817 と NICER の観測データを統合したマルチメッセンジャー解析により、中性子星の中心部で音速が光速の 3 分の 1 を超える「硬化」領域への移行が 1.6 太陽質量付近で始まり、2.1 太陽質量付近でピークに達する可能性が高いことが示されました。

Nicolás Viaux, Sebastián Mendizabal2026-04-10⚛️ nucl-th

Statistical hadronization: successes and some open issues

この論文は、相対論的重イオン衝突におけるハドロン生成が統計的ハドロン化モデルによって広範な衝突エネルギーでよく記述されることを示し、軽・重クォークからなるハドロンについて概説するとともに、QCD の相構造の理解に関連する最近の知見と未解決の問題を論じています。

A. Andronic, P. Braun-Munzinger, K. Redlich, J. Stachel2026-04-10⚛️ nucl-th

Systematics of characteristics of pygmy dipole resonances in medium-heavy and heavy atomic nuclei with neutron excess

この論文は、中性子過剰を持つ中・重原子核におけるピグミー双極子共鳴(PDR)のエネルギーとエネルギー加重総則(EWSR)への寄与を、中性子スキン厚と表面中性子数の関係に基づいた修正された巨視的モデル(PR INW および PR MSR 手法)を用いて系統的に解析し、実験データや微視的計算と比較してその妥当性を検証したものである。

V. A. Plujko, O. M. Gorbachenko, N. O. Romanovskyi2026-04-10⚛️ nucl-th