バイオインフォマティクスは、膨大な生物学的データをコンピュータの力で解析し、生命の謎を解き明かす分野です。ゲノム情報やタンパク質の構造といった複雑なデータから、新たな発見を引き出すための重要な橋渡し役となっています。

Gist.Science では、bioRxiv から公開される最新のプレプリントをすべて対象に、この分野の論文を網羅的に扱っています。専門的な詳細な要約に加え、難しい専門用語を避け、誰でも理解できる平易な日本語での解説も併せて提供しています。

以下に、bioRxiv から更新されたばかりのバイオインフォマティクスに関する最新論文の一覧を掲載します。

The practical impact of numerical variability on structural MRI measures of Parkinson's disease

この論文は、FreeSurfer を用いたシミュレーションと既存研究への適用を通じて、パーキンソン病の構造 MRI 解析における数値的変動が統計的結論や臨床的関連性に重大な影響を及ぼすことを実証し、その影響を定量化するための実用的な枠組みを提示しています。

Chatelain, Y. M. B., Sokołowski, A., Sharp, M., Poline, J.-B., Glatard, T.2026-02-19💻 bioinformatics

jazzPanda: A hybrid approach to find spatial markergenes in imaging-based spatial transcriptomics data

本論文は、イメージングベースの空間トランスクリプトミクスデータにおいて、細胞の空間座標と遺伝子検出情報を統合したハイブリッド手法「jazzPanda」を開発し、従来の単一細胞 RNA シーケンシング解析用ツールよりも高い特異性と空間相関性を持つマーカー遺伝子を同定する R パッケージを提案するものである。

Jin, X., Putri, G. H., Cheng, J., Asselin-Labat, M.-L., Smyth, G. K., Phipson, B.2026-02-19💻 bioinformatics

Pioneer and Altimeter: Fast Analysis of DIA Proteomics Data Optimized for Narrow Isolation Windows

本研究は、狭い分離ウィンドウを用いた高速なデータ非依存取得(DIA)プロテオミクスデータの分析を可能にするオープンソースツール「Pioneer」と「Altimeter」を開発し、分離ウィンドウ効果を明示的にモデル化することで、既存の手法よりも 2〜6 倍高速かつ高信頼性の同定・定量を実現したことを報告しています。

Wamsley, N. T., Wilkerson, E. M., Major, M. B., Goldfarb, D.2026-02-19💻 bioinformatics

NanoHIVSeq: A Long-Read Bioinformatics Pipeline for High-Throughput Processing of HIV Env Sequences

本論文は、UMI(ユニーク分子識別子)を不要とし、Oxford Nanopore 技術の長リードデータから HIV-1 環境遺伝子の機能的な変異を高精度に復元する新規バイオインフォマティクスパイプライン「NanoHIVSeq」を開発し、その高い再現性と精度を実証したものである。

Sheng, Z., Xiao, Q., Qiao, Y., Lu, H., McWhirter, J., Sagar, M., Wu, X.2026-02-19💻 bioinformatics

Benchmarking Large Language Models for Predicting Therapeutic Antisense Oligonucleotide Efficacy

本論文は、SMILES 表現や DNA 配列を用いたファインチューニングおよびプロンプトエンジニアリングを通じて、LLM が抗 sense オリゴヌクレオチド(ASO)の治療効果を予測する能力をベンチマークし、DNA 配列とターゲット遺伝子情報を組み合わせた少量ショット学習が GPT-3.5-Turbo などで高い予測精度(R²約 0.63)を達成したことを示しています。

Wei, Z., Griesmer, S., Sundar, A.2026-02-19💻 bioinformatics

ModCRElib: A standalone package to model cis-regulatory elements.

本論文は、転写因子とDNAの相互作用や高次調節複合体の構造をモデル化し、結合親和性や結合部位を予測するためのスタンドアロンパッケージ「ModCRElib」の機能と、その5つの具体的な応用例を紹介するものである。

Gohl, P., Fornes, O., Bota, P. M., Messeguer, A., Bonet, J., Molina-Fernandez, R., Planas-Iglesias, J., Hernandez, A. C., Gallego, O., Fernandez-Fuentes, N., Oliva, B.2026-02-19💻 bioinformatics

Comparative Biology at Single-Cell Resolution: Rigorous Matching of Atlases for Cross-Species Analysis

本研究は、マウス、ウサギ、マカクなどの種間比較において、発生過程の分子類似性のボトルネックや保存された発現プログラムを特定し、またモデル生物から標的生物への遺伝子発現予測を可能にする新しい計算手法「RIMA」を提案しています。

Jacques, M.-A., Gottgens, B., Marioni, J. C.2026-02-19💻 bioinformatics

Circumventing the synthesizability problem in generative molecular design

この論文は、生成モデルが設計した分子の合成可能性の問題を解決するため、構造ベース創薬モデルと化学的類似性検索を組み合わせる「モデル誘導型バーチャルスクリーニング(MGVS)」パイプラインを提案し、既存の超大型化合物データベースから合成可能な類似体を効率的に同定することで、従来のバーチャルスクリーニングを最大 25 倍上回る性能を示すことを実証しています。

Weller, J. A., Li, J., Jiang, Y., Rohs, R.2026-02-19💻 bioinformatics

UnivAIRRse: A Unified Framework for Organizing and Comparing Adaptive Immune Receptor Repertoire Simulators

本論文は、適応免疫受容体レパートリーシミュレータを5つの操作レベルで統一的に整理・比較するフレームワーク「UnivAIRRse」を提案し、既存ツールの限界を指摘するとともに、再現性が高く臨床応用可能な次世代の免疫モデリングの基盤を確立することを目的としています。

Abdollahi, N., Kaveh, S., Shayesteh, S., Mommahed, S., Alemzadeh, Y., Zarrin, R., Chaker Hosseini Zavareh, F., Esmaeili, P., Hassanzadeh, R., Kossida, S., Eslahchi, C.2026-02-19💻 bioinformatics