ゲノミクスは、生命を構成する設計図である遺伝情報を解読し、その働きや多様性を理解するための重要な分野です。この領域では、DNA の配列から病気の原因を突き止める研究から、進化の歴史をたどる調査まで、多岐にわたる発見が生まれています。Gist.Science では、これらの最先端の知見を、専門用語に頼らず誰でも理解できる形でお届けします。

当サイトのゲノミクスカテゴリに掲載される論文はすべて、プレプリントサーバー bioRxiv から提供された最新のものであり、承認前の研究結果も含んでいます。Gist.Science は bioRxiv から届くすべての新規プレプリントを自動的に処理し、専門家が読める詳細な技術的要約と、一般の方も読める平易な解説の両方を生成して公開しています。

以下に、ゲノミクス分野における最新の論文リストを掲載します。

RNA-binding proteins and regulatory networks involved in life-stage, stress temperature, and drug resistance in Leishmania parasites

本論文は、33 株 19 種のリーシュマニア属寄生虫を対象とした比較ゲノム解析とトランスクリプトーム解析を統合し、ライフステージ、ストレス、薬剤耐性における RNA 結合タンパク質の多様性と機能ネットワークを包括的に解明し、特に抗サントニウム耐性に関与する調節機構の特定に成功したことを報告するものである。

Martinez-Hernandez, J. E., Aliaga Tobar, V., Hidalgo-Cabrera, A., Requena, J. M., Monte-Neto, R., Maracaja-Coutinho, V., Martin, A. J. M.2026-02-17🧬 genomics

Genome sequence of the ornamental plant Digitalis purpurea reveals the molecular basis of flower color and morphology variation

本論文は、キツネノテッポウ(Digitalis purpurea)のロングリード配列解析に基づく高品質なゲノム配列を報告し、アントシアニン合成遺伝子における挿入変異が花色の白色化を、DpTFL1/CEN 遺伝子における挿入変異が頂花の大型化をそれぞれ引き起こしている分子メカニズムを解明したものである。

Horz, J. M., Wolff, K., Friedhoff, R., Pucker, B.2026-02-16🧬 genomics

Allele-specific alternative polyadenylation links noncoding genetic variation to Alzheimer's disease risk

この研究は、脳におけるアレル特異的選択的ポリアデニル化(asAPA)が RNA 結合タンパク質(特に FMRP)を介して非コード領域の遺伝的変異と転写構造を結びつけ、自閉症スペクトラム障害やアルツハイマー病などの神経疾患のリスクメカニズムを解明したことを示しています。

Barney, R. M., Quinones-Valdez, G., King, A. J., Amoah, K., Wang, W., Xiao, X.2026-02-15🧬 genomics

HP1α depletion and TGFβ activation exert antagonistic effects on 3D genome organization

この論文は、ヒト乳腺上皮細胞において、ヘテロクロマチンタンパク質1α(HP1)の枯渇が転写活性なAコンパートメントへのシフトを促進するのに対し、TGFβ刺激は転写不活性なBコンパートメントの増加を促すなど、両者が3次元ゲノム構造に対して拮抗的な作用を及ぼし、乳がんの悪性化に寄与することを明らかにしたものである。

Patalano, F., Hovet, O., Rossini, R., Nekrasov, M., Dijkwel, Y., Azad, B., Soboleva, T., Aasland, R., Tremethick, D., Paulsen, J.2026-02-13🧬 genomics

Short-Context Regulatory DNA Language Models with Motif-Discovery Regularization

本論文は、調節領域のモチーフ発見を促す新しい正則化手法を用い、機能的に濃縮されたデータで学習させた短文コンテキストのDNA言語モデル「ARSENAL」を提案することで、転写因子モチーフの抽出や変異効果の予測、さらには標的とする調節配列の設計において従来モデルを上回る性能を実現した研究です。

Patel, A., Kundaje, A.2026-02-11🧬 genomics

Impact of ceftiofur administration and Escherichia coli inoculation on the calf fecal microbiome

本研究は、ショットガンメタゲノミクスとシングルセル解析を組み合わせることで、セフチオフル投与と大腸菌接種が仔牛の糞便マイクロバイオームの多様性、栄養・健康に関わる菌相、および薬剤耐性遺伝子の動態に与える影響を明らかにしました。

Sommer, A. J., Ferrandis-Vila, M., Mamerow, S., Berens, C., Menge, C., Wei, S., Wang, Q., Aarestrup, F. M., Otani, S., Sapountzis, P.2026-02-11🧬 genomics