ゲノミクスは、生命を構成する設計図である遺伝情報を解読し、その働きや多様性を理解するための重要な分野です。この領域では、DNA の配列から病気の原因を突き止める研究から、進化の歴史をたどる調査まで、多岐にわたる発見が生まれています。Gist.Science では、これらの最先端の知見を、専門用語に頼らず誰でも理解できる形でお届けします。

当サイトのゲノミクスカテゴリに掲載される論文はすべて、プレプリントサーバー bioRxiv から提供された最新のものであり、承認前の研究結果も含んでいます。Gist.Science は bioRxiv から届くすべての新規プレプリントを自動的に処理し、専門家が読める詳細な技術的要約と、一般の方も読める平易な解説の両方を生成して公開しています。

以下に、ゲノミクス分野における最新の論文リストを掲載します。

Improved deconvolution of circulating tumor DNA from ultra-low-pass whole-genome methylation sequencing using CelFiE-ISH

本研究は、上皮性悪性腫瘍の超低深度全ゲノムメチル化シーケンシングデータに対し、CelFiE-ISH 法を用いて上皮細胞に特化したマーカーを増やすことで、がん検出限界を既存の CNA ベンチマーク(3%)と同等またはそれ以上の 1.7〜3.1% まで引き上げられることを示しました。

Katsman, E., Isaac, S., Darwish, A., Maoz, M., Inbar, M., Marouani, M., Unterman, I., Gugenheim, A., Salaymeh, N., Abu Khdeir, S., Uziely, B., Peretz, T., Kaduri, L., Hubert, A., Cohen, J. E., Salah (…)2026-04-18🧬 genomics

Droplet-compatible single-cell DNA methylation sequencing with PreTIC

本論文は、市販の液滴プラットフォームと市販試薬を用いて固定凍結細胞から高効率に単一細胞メチル化プロファイルを取得可能にする「PreTIC」という新規手法を開発し、ヒト末梢血単核球における細胞特異的なエピジェネティックな変異を解明したことを報告しています。

Zhang, S., Wang, F., Zhang, Y., Lee, K.-J., Engman, C., He, H.-Z., Fan, Y., Zheng, S.-Y.2026-04-18🧬 genomics

Population structure and gene flow in the endangered Caribbean reef-building coral, Acropora palmata

この論文は、サンゴ・アルギ微アレイを用いた大規模なゲノム解析により、絶滅危惧種であるカリブ海の造礁サンゴ*Acropora palmata*が以前考えられていた東西 2 群ではなく 9 つの遺伝的クラスターに分類され、主要な海流の影響を受けつつも広範な分散と出交配を維持していることを明らかにした。

Baums, I. B., Locatelli, N. S., deLuca, K. L., Kitchen, S. A.2026-04-18🧬 genomics

Dynamic regulation of long non-coding RNAs across asexual andgametocyte development in Plasmodium falciparum

本研究は、Oxford Nanopore 長鎖 RNA シーケンシング、リボソームプロファイリング、単細胞トランスクリプトミクスを統合して、Plasmodium falciparum の無性期および有性期(特に成熟した配偶子)における長鎖非コード RNA(lncRNA)の発現動態を包括的に解明し、これらが配偶子形成や伝播における遺伝子発現制御に重要な役割を果たしている可能性を示しました。

Gruenebast, J., Singhal, R., Olson, S., Bromley, R., Kanatani, S., Ko, K., Dunning Hotopp, J. C., Sinnis, P., Llinas, M., Serre, D.2026-04-18🧬 genomics

Detection of a sequence feature for recursive splicing

本研究は、確率的混合モデルと新規なプライマー伸長アッセイを用いて、リカージブスプライシングを特徴づける配列モチーフを同定し、特に第 1 イントロンの両端に存在する CG 配列の特徴が、転写開始段階においてその後のリカージブスプライシングの頻度を決定づけることを明らかにしました。

Wang, B., Yang, K., Barash, Y., Choi, P., Mount, S. M., Larson, D. R.2026-04-17🧬 genomics

Genome sequencing and multi-stage, blood-feeding, and tissue-specific transcriptome atlas of the Rocky Mountain wood tick provide a critical resource for this vector

本論文は、ヒトおよび動物の健康に深刻な影響を与える病原体を媒介するロッキー山脈のダニ(Dermacentor andersoni)の参照ゲノム配列を完成させ、吸血行動や組織・発生段階に応じた包括的な転写プロファイルを提供することで、この媒介生物の制御および疾病予防戦略の開発に不可欠な基盤を確立したものである。

Tompkin, J. E., Saelao, P., Kruczalak, J., Yeo, H., Olafson, P. U., Sim, S. B., Oyen, K., Kelley, M., Corpuz, R. L., Scheffler, B., Geib, S. M., Childers, A., Chen, X., Weirauch, M. T., Dergousoff, S. (…)2026-04-17🧬 genomics

Whole-genome 3D architectural screen reveals modulators of brain DNA structure

本研究は、数千のサンプルを一日で解析可能な高スループット技術「Plate-C」を開発し、脳細胞のゲノム立体構造を調節する多様な分子経路を同定するとともに、HDAC 阻害が脳全体でゲノム構造を迅速に再編成することをマウス実験で実証した。

Parasar, B., Raja Venkatesh, A., Perera, J., Sosnick, L., Moghadami, S., Seo, Y., Shi, J., Chan, L., Takenawa, S., Akiyama, T., Sianto, O., Uenaka, T., Hadjipanayis, A., Wernig, M., Gitler, A. D., Tan (…)2026-04-17🧬 genomics

Comparing DNA extraction methods for successful PacBio HiFi sequencing: a case study of the freshwater mussel Anodonta anatina (Bivalvia: Unionidae)

本論文は、淡水二枚貝 Anodonta anatina の足組織から PacBio HiFi 配列に成功するための DNA 抽出法を比較検討し、新鮮組織には Nanobind または CTAB 法が最適である一方、凍結保存組織には高品質な HMW DNA 用ではない Omega Mollusc Kit が最も有効であることを示した。

Giulio, M., Lergster, U., Feulner, P. G. D., Weber, A. A.-T.2026-04-16🧬 genomics

Complete Telomere-to-Telomere Assembly of the Y Chromosome in the Chinese Quartet

本研究は、オックスフォード・ナノポア、パシフィック・バイオサイエンス、Hi-C データを統合して、中国の四世代家族(クォーテット)の父親から完全なテロメア - テロメア Y 染色体アセンブリ(CQ-chrY)を初めて構築し、東アジア集団のゲノム標準化と Y 染色体の構造変異研究に不可欠な資源を提供したものである。

Wang, B., Wan, S., Zhang, P., Zhang, Y., Wang, X., Dong, L., Ye, K., Yang, X.2026-04-16🧬 genomics

Contrasting transcriptional responses and genetic determinants underlie Zymoseptoria tritici adaptation mechanisms to simulated host defense environments

本論文は、トウモロコシ病原菌 Zymoseptoria tritici が宿主防御環境(酸性 pH、サリチル酸など)に対して、転写応答と遺伝的基盤において共有および条件特異的な適応戦略を用いて生存していることを、表現型、転写解析、ゲノムワイド関連解析を統合することで明らかにしたものである。

Minana-Posada, S., Feurtey, A., McDonald, B. A., Lorrain, C.2026-04-16🧬 genomics